2019.10.0122,396
炊き込み派?お刺身派?本場愛媛ならではの二つの味を召し上がれ!
北条市外
愛媛県の代表的な郷土料理「鯛めし」。県の中ほどに位置する中予地方の「北条鯛めし」と、南側である南予地方の「宇和島鯛めしⓇ」の二種類がよく知られています。 中予や東予地方では、一匹丸ごと焼いた新鮮な鯛を、ふっくらご飯と一緒に豪快に炊き込むのに対し、南予地方では、鯛のお刺身をのせ、特製のタレと生卵、ゴマやきざみねぎなどの薬味を混ぜたものを温かいご飯にかけていただきます。それぞれの鯛めしは古くから愛媛県民や観光客など、たくさんの方々に愛されています。松山市内の中心部や道後温泉商店街などには、それぞれの鯛めしを提供する店舗がいくつもあり、気軽に食べ比べをお楽しみいただけます。二つの鯛めしは、全国有数の鯛の産地である愛媛ならではの人気グルメです。是非あなた好みの鯛めしを見つけてください。
鯛を丸ごと炊き込んだ北条地域の郷土料理「北条鯛めし」
松山市の北部に位置する北条地域の郷土料理として古くから伝わる「北条鯛めし」。その特徴は、鯛一匹を丸ごとご飯と一緒に炊き込むこと。そして具材は、ごぼうやにんじんなどの野菜や揚げが入っておらず、鯛とだしコブのみで作られます。シンプルであるがゆえに、新鮮な素材の味を存分に堪能することができる調理法です。
お釜や土鍋でじっくり炊き上げた後、鯛の身をほぐして混ぜ合わせてからいただきます。ご飯はふっくら、鯛と昆布のうまみが染み込んだ上品な味わいで、鯛から出るだしの風味が抜群です。
「北条鯛めし」は、創業150年以上の歴史を持つ老舗など、北条地域の店舗で食べられます。また、松山市内の中心部でも炊き込み鯛めしを味わうことができます。
「北条鯛めし」の由来
神功皇后が朝鮮出陣の道すがら、鹿島に船を寄せ、鹿島明神に勝ち戦を祈願されたおり、風早浦の漁民たちは近海で漁獲した新鮮な鯛を献上しました。皇后は吉兆として快く受け入れられ、その時さらに鯛をのせて飯を炊き差し上げたところ、大いによろこばれ、その美味を賞されたそうです。
これが北条鯛めしの起源として言い伝えられ、北条地域の名物として知られています。そのため北条では、祝い事の時に昔から食されています。
全国的にも珍しい!お刺身を使った「宇和島鯛めしⓇ」
卵入りの特製ダレに、鯛の刺身と薬味を漬け込みます。お茶碗にアツアツのご飯をよそい、タレごとご飯にかけて食べるのが、南予地方独特の食べ方です。プリッとした歯ごたえで適度に脂がのった鯛と、タレが絡んだご飯が絶妙。おかわりがとまらなくなる程の美味しさでさらさらと食べることができます。
「宇和島鯛めしⓇ」の由来
宇和島鯛めしⓇの由来は、南北朝時代から江戸時代まで日振島(ひぶりじま)を中心に活躍していた伊予水軍がよく食していた、海賊飯や漁師飯などと呼ばれる料理です。海の民が船の上で魚の刺身と茶碗酒で酒盛りをした後に、酒の残った茶碗にご飯を盛り、醤油をたっぷりと含ませた刺身をのせて食べたのが始まりとされています。時間をかけることなく材料の良さを活かそうと編み出した料理です。