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絶景!歴史!見どころが目白押し!松山城の知られざる魅力に、いざ迫る!
城周辺
松山の代表的な観光名所といえば、江戸時代以前に建造された天守が今も残る松山城(日本で12城のみ!)ですね。松山城は、県内でも有数の桜の名所や景観美の名所として親しまれており、また、ミシュラン2つ星の評価を受けるなどお城としての魅力もたくさんある歴史的価値の高い建造物です。今回は、そんな松山城の知られざる魅力に徹底的に迫ってみました!
400年近くの歴史がある松山城の魅力とは?
やっぱり外せないのは、勝山(かつやま)にそびえたつ美しい天守と眺望!
勝山は、市内中心部にある山で、山頂に松山城があることから「城山(しろやま)」の愛称で呼ばれています。そんな勝山に堂々と佇む松山城の天守は存在感があって魅力的です。精巧な造りで築かれた天守は、間近で見れば見るほど、迫力がありますよ。
そんな松山城の天守からの眺望が、ミシュラン1つ星を獲得しているということはご存知ですか?城郭からの眺望で星を獲得しているのは、全国でも松山城だけ!
天気のいい日には、西日本最高峰の石鎚山や四国の最西部に位置する佐田岬半島(さだみさきはんとう)まで見渡すことができる天守からの景色。
また、山口県や広島県まで見えるほど、見晴らしがいい絶景を堪能することができます。
360度パノラマビューで松山平野や瀬戸内海の眺望を楽しみたいなら、天守最上階がオススメです!
日本夜景遺産に認定された松山城!
昼間の松山城からの眺望はもちろんですが、夜景もオススメポイント!夜間にライトアップされる松山城は、まるで天空に浮かぶ城のように存在感を放ち幻想的な魅力に満ちており、令和2年7月には日本夜景遺産の「ライトアップ夜景遺産」に認定されました。また、標高132mの本丸広場から一望する市街地も絶景です。
日本夜景遺産とは?
日本夜景遺産事務局が「すぐれた普遍的価値をもつ夜景」、「誰もが楽しめる夜景地(夜景鑑賞地)」であることを前提として選定し、日本の美夜景を再発見&発掘・情報発信を行うというプロジェクト。日本夜景遺産として価値を付与することで観光資源としてのアピールを行っています。
重要文化財に指定される、歴史深いお城としての魅力とは?
天正11年(1583年)、羽柴秀吉(はしばひでよし)と柴田勝家(しばたかついえ)が織田信長の後継者を競った歴史的な出来事、賤ヶ岳(しずがたけ)の合戦。天下分け目となるこの戦いで活躍し、賤ヶ岳の七本槍(しちほんやり)として後世に名を遺した加藤嘉明(かとうよしあき)は伊予松山藩の初代藩主。そんな彼が築城を始めたのが、この松山城!お城のマスコットキャラクター「よしあきくん」は、加藤嘉明にちなみ、名づけられました。
松山城は、江戸時代に建てられた最後の完全な城郭建築で、大天守が現存しています。城郭建築とは桃山文化の象徴であり、敵からの侵攻を防ぐために軍事的に建造され、なおかつ装飾的な意匠が施されている建築様式のことを指します。
また、お城の天守の形式には大きく分けて、独立式、複合式、連結式、連立式と4つの種類があります。この中で、現存するお城で連立式に分類されるのは姫路城と松山城の2つのみ!天守の構造という観点から見ても、松山城は貴重なお城なのです。
お城の豆知識「天守の形式のちがいって?」
松山城の「楽しみ方」ご紹介!
リフトでさわやかな風に吹かれるもよし、ロープウェイでらくらくのぼるもよし!さまざまな登城手段!
松山城への登城手段はさまざま。その中でも、市街地や豊かな自然を360度いっぱいに楽しむことができるということでおススメなのはリフトとロープウェイです!リフトではゆっくりと時間をかけて、木々の緑に囲まれて景色を堪能することができます。さわやかな風を感じながら登るには最適です!また、ロープウェイを使えばあっという間に本丸まで登城することができます。時間帯によって変わる景色を堪能しながらのらくらく登城を楽しんでください!
もちろん、歩いての登城にも楽しみはたくさんです。歩いての登城には東雲口(しののめぐち)登城道と、県庁裏登城道、黒門口登城道などがあり、それぞれ異なった発見があるかもしれませんよ!
広い本丸広場で過ごす癒しのひととき!
登城し、城郭の防備として建てられた太鼓門や櫓(やぐら)を抜けると広い本丸広場に迎えられます。見晴らしが良く、春には桜の名所としても親しまれている本丸広場。売店では、美味しいスイーツを楽しむこともできます。
さらに、「蛇口から出るみかんジュース」を体験することも!市街地を一望できるベンチに腰掛けながら舌鼓をうち、癒しのひとときを過ごしましょう!
お城の豆知識「広場にある、本丸井戸のヒミツ」
当時は戦いの中で水が足りず多くの兵士が亡くなってしまうこともあったのじゃ。
それを見た加藤氏は、松山城の築城でも水をとても大切にしたんじゃよ。
松山城周辺はウォーキングにも最適!歴史を感じながらの散歩も魅力♪
松山城への登城はもちろん、松山城の周辺をウォーキングするのもオススメポイントのひとつ!松山城のふもとにある城山(しろやま)公園の外周をぐるりと歩いて回れば、360度さまざまな角度から松山城を見上げることができますよ!傾斜のある坂道も少ないので、誰でも気軽にウォーキングを楽しめます。松山城の見学だけでなく、松山藩主の邸宅の間取りを再現した庭園、「二之丸史跡(にのまるしせき)庭園」もコースの一部に加えればより一層楽しめること間違いなしです!ロープウェイ東雲口駅舎にはコインロッカー(有料)もあるため、荷物を一度預けて身軽に登城することもできます。あなたにぴったりの散歩コースを見つけてみてはいかがですか?
歴史マニア必見!?知られざる、松山城のヒミツ!
「城大工がらくがきした侍の似顔絵」のヒミツ
松山城の天守内には、下見板の裏面の一部が展示されています。それは、おそらく城大工が施したと思われるらくがき!
築城当時は下見板を壁に貼り付けていたため隠れていましたが、平成16年から行われていた大天守の改修工事の際に発見されました。「ただのらくがきでは?」と思うかもしれませんが、実は、これは一説では作事奉行(さくじぶぎょう)というお役職の人の似顔絵ではと推定されています。武家の侍の似顔絵をお城の板に落書きするなんて、身分社会の当時はとっても恐ろしいことだったそう。露見してしまえばとても厳しい処罰を受けるような無礼なことなんです。城大工はどんな気持ちでこの落書きをしたのでしょう‥‥。それを考えてみるのも面白いですよね!
「本丸の石垣から見る、松山城の遍歴」のヒミツ
美しい天守や櫓を支える石垣。ここにも松山城の魅力が詰まっています。建築様式に違いがあるように、石垣にも分類があることをご存知でしたか?加工の仕方と積み方によってそれぞれ分類分けされるのですが、ここでは加工の仕方による分類に着眼点を置いてご紹介!まず、加工による分類には「野面積み(のづらづみ)」「打ち込み接ぎ(うちこみはぎ)」「切り込み接ぎ(きりこみはぎ)」の3つがあります。
松山城ではこの3つの中で、打ち込み接ぎと切り込み接ぎが主に用いられています。築城に着手した加藤氏は打ち込み接ぎ、改築を行った松平氏は切り込み接ぎを用いています。石垣にはその両家の違いがはっきりと見える境目があり、松山城の歴史の遍歴が見て取れるオススメポイント!ぜひ、探してみてください!
「場所によって異なる、瓦の紋(もん)」のヒミツ
瓦や衣類に、家紋が施されているのはよく目にしますよね。松山城の歴代城主の家紋は以下の通りです。
徳川将軍家とゆかりのある久松松平家は「三つ葉葵紋(みつばあおいもん)」を用いることを許されていたため、天守には三つ葉葵紋がしっかりと刻まれています。
しかし、天守にたどり着くまでの間の櫓や門をじっくり見てみると異なる紋がいくつも見かけられます。縁起がいいとして用いられる「三つ巴(みつどもえ)の紋」は水や雨雲を示しているともいわれており、火災防止の願掛けが込められているそう。験担ぎ(げんかつぎ)や願掛けの想いがさまざまな箇所に隠されているのですね。
松山城ミステリー
二ノ門(にのもん)には梅鉢(うめばち)という紋が用いられています。梅鉢は天神(てんじん)様‥‥つまり天満宮で多く用いられる神紋として古くから知られています。城主久松松平家の遠祖にあたる菅原道真を祀って建てられた天神櫓にも、この梅鉢が用いられています。
さて、久松松平家の家紋は、本来、梅を表す五つの丸の真ん中に、星を表す小さな丸がある「星梅鉢紋(ほしうめばちもん)」です。梅鉢紋のなかの一つで、京都の北野天満宮と同じ紋です。しかし、天神櫓へたどり着く前にある二ノ門の紋をよく見ると‥‥?
何かが「ちがう」ことを、ぜひご自身の目で確かめて、その謎解きにチャレンジしてみてください!
また、加藤氏の次代城主となった蒲生忠知(がもうただとも)は、完成直前だった松山城の築城を進め、二之丸など、お城における区画を指す曲輪(くるわ)を完成させます。蒲生氏の家紋は左三つ巴紋。現在も三つ巴紋が用いられている所がありますが、城主が替わる際、前城主の家紋を残すことはないため、「蒲生氏の家紋」かというと、そうではありません。
どのような紋をどこに用いているのか、その違いを探してみてくださいね。
このように、城主の家紋を用いるだけではなく験担ぎ(げんかつぎ)や願掛けの想いを込めた紋が刻まれていることを見ると、当時の人々にとってお城というものがどれほど大切だったのかがよくわかりますね。
お城の豆知識「本当に強い武器ってなんだろう」
当時、戦いで一番使われていた武器は、槍だったのじゃ!
その次が弓矢、鉄砲、石、刀の順番で使われていたんじゃよ。知っておったかのう?
いかがでしたか?
松山市に住む人たちにとっても親しみ深い松山城。観光名所としても知られているお城ですが、見方をすこし変えるといろいろな場所にヒミツが隠されているんです!今回ご紹介した松山城のヒミツはほんの一部に過ぎません。
さて、最後にクイズです!
この写真は、どこから見た景色でしょうか?
ぜひ、実際に足を運んでみて、より深い松山城のヒミツに迫ってみてくださいね!